日曜礼拝が終わって、家に帰ってきてからふとテレビをつけると、オーケストラをやっていました。　僕はオーケストラを観るのが大好きです。そのままずっと見入ってしまいました。　なぜ好きなのかといえば、それが一人ひとりの賜物が見事に調和した最高の結果、生まれるものだからです。　ヴァイオリン、チェロ、コントラバス、ホルン、フルート、ピッコロ、トライアングル、ハープ、ティンパニ・・。　誰一人として、自分勝手な音を出す者はいません。　それは一人ひとりが最高の演奏を観客に届けようという目的を、一心に追い求めているからです。

いつ音を出すか、どの程度出すか、どんな風に出すか。　それを導くのは指揮者の役割です。楽団のメンバーの賜物を生かすも殺すも、すべてが指揮者の双肩にかかっています。指揮者は曲全体を知り尽くし、次の瞬間になにが起こるかをすべて見極めます。観客は、指揮者を中心としてオーケストラ全体が見事なまでの「一致」を保っている姿を見て、感動を覚えるのです。

オーケストラのメンバー一人ひとりは、それぞれ自分の楽器を、最高の形で演奏しようとします。それぞれの楽器一つでは、大した音にはなりません。しかし、皆が一堂に会し、指揮者に従って自分の持てる力を出し切るなら、そこに感動を与える「音楽」が生まれるのです。

そしてその日、僕の心は一つの思いに捕らわれました。

「これは、教会のもっとも美しい姿、あるべき姿ではないだろうか」

教会にも、生まれも育ちも全く違った、得意なことも不得意なことも、誰ひとりとして同じ者はいない老若男女が集まります。一人ひとりがバラバラに自分の目標を追い求めているなら、教会の放つ音はうるさい雑音にしか聞こえないでしょう。しかし、一人ひとりが「名指揮者」、イエス・キリストに従い、キリストの願うとおりに自分の賜物を用いるなら、なにが起こるでしょうか。　そこに人々を感動させる、完全な調和のとれた、美しい音楽が生まれるのです。

その音楽を聴いているのは誰でしょう。　「神様」です。　イエス・キリストの願われることに忠実に従うこと。これこそ、最高のものを生み出す、唯一の原動力となります。イエス様は常に一致を願われるのです。オーケストラたる教会が分裂しているとき、指揮者であるイエス様は不協和音に苦しまれるでしょう。　そして、それを聴く神様も、生かされない賜物を見て、どれだけ嘆かれることでしょうか。

一致を求めましょう。自分を出そう、目立とう、自分の願いを押し通そうという思いに死にましょう。最高のものを求めるなら、指揮者に自分を委ねなければなりません。一致を求めない者は、感動を与えることはできないのですから。

あなたも指揮者にすべてを委ねる、良い楽団員となることができますように・・・。